2009年8月22日土曜日

ゴルの虜囚 70 【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
 

7. 他者と供に、北へ連れて行かれる(6)

  ターゴはコ=ロ=バから40人の娘、5台の荷車、10頭のボスクと多くの品々を持って旅立ちました。
そのとき部下の男は20人以上に達していました。コ=ロ=バから二日、
ローラに向かう北の原野を渡っていると、ゴルで畏怖されている戦士の一人である恐ろしいトレヴェのラスクの配下にある、100人を超える無法者のタルン戦士が飛び、空が暗くなりました。
幸運なことにターゴはタルン戦士に襲撃される前に、 広大なカ=ラ=ナの茂みの端へキャラバンを導くことができました。
わたしは草原を一人でさまよっていたとき、そのような茂みをいくつか見たことがありす。
ターゴは巧妙に部下を分割しました。
出来るだけ金や物を押さえるように配置される者。
娘を放して茂みの中に追い立てるように指示される者。
荷車を引いていた大きいボスクの綱を切り、同じく木々の中に追い立てるよう命令される者。
そしてタルン戦士が襲撃する一歩手前に、ターゴと部下の男たちは娘とボスクを茂みの中に逃がしました。タルン戦士が降り立ち荷車をあさり、火を放ちました。藪の中で激しい戦いがありました。ターゴは11人ほどの部下を失わなければならず、娘の20人がタルン戦死に連れ去られましたが、すぐにタルン戦士は撤退しました。風の兄弟と呼ばれる偉大なタルンに載るタルン戦士は、広い空の主で雲と空が戦場の荒々しい戦士です。森の人々ではありません。ですから木々の暗がりや林冠から、不意に突然見えざる襲撃者の大弓にあうかもしれない場所で、忍び寄り狩りをするのは好まないのです。
  ラスクはすぐに家臣を退却させました。捕獲した娘たちを鞍にくくりつけ、ターゴのたくさんのその他の物を袋に詰め、彼らは逃走しました。
  その後ターゴは部下たちと一緒に、残った商品や娘などを集めました。娘の19人は、別々に茂みの奥深くに連れられ、小さい木の周りで体の前か後ろで手首を縛られていました。ターゴが何とか保つことができたものがありました。ラナ、ユート、インジもそうです。ターゴには不運なことに、ボスクは綱が外れるか切れるかして逃げ、草深い草原に姿を消していました。茂みから出たときには、使える荷車は1台だけで、煙と火で損傷していました。多くを失いましたが、いくらか損失を免れました。一番大事な金も。その夜は茂みの中で野営しました。朝になり、応急装備の引き具に、娘たちは顔を見合わせました。今はもうだらだらと、足首を鎖に繋がれて荷車に乗っています。そしてターゴはまたローラに向かい出発しました。2、3日ほど後、旅の途中に草原で、奇妙な服をまとった若い野蛮人の娘に遭遇し、奴隷にしました。

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2009年8月12日水曜日

ゴルの虜囚 69【CAPTIVE OF GOR】

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

7. 他者と供に、北へ連れて行かれる(5)

ターゴも衛兵の何人かも、ラナに時々飴や果物の砂糖漬けを与えました。
わたしの展示用の鎖の位置は、最初は4番目でした。
決まったひざまずき方を教えられ、品定めされるときには、顔を上げて微笑み、決まったフレーズを口にしました。ターゴと衛兵は、わたしに何度も練習させました。
後にそれは「買ってください、ご主人様」という意味だと知りました。
展示されている娘たちの左の足首には、輪がはめら、これが足首をつないでいます。
錠のかけられた大きな輪から突き出した、小さな輪です。この小さいほうの輪は、鎖の特定の輪にとめることができ、それゆえ娘に一定の間隔をあけさせたり、全体として鎖を囲むことができ、それゆえ鎖が娘の足首を傷つけたり、火傷させることなく自由に鎖を這わせることができます。
<展示の鎖>につながれ、わたしたちは鎖で間隔を開けられました。
そして鎖を伸ばして両端を固定してピンと張ったり、あるときは木に、あるときは2フィート以上の長さの金属のボルト2本で地面に止め、最初と最後の娘の両端で、手が届かないところに止めてありました。
それゆえわたしたちは逃げる恐れがないだけではなく、群がれないようになっていました。娘は、特に未熟な娘は妨げられなければそうする傾向がありますから。予想されるとおり、展示の鎖に繋がれると、裸にされて展示されます。ゴル人曰く、服を着た女を買うのは愚か者だけである。わたしもその通りだと思います。

 

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訳者の言い訳と解説
  日本語訳微妙なところあるから、いずれ修正します。

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2009年8月9日日曜日

ゴルの虜囚 68 【CAPTIVE OF GOR】

→ 読む前の注意
→ 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

7. 他者と供に、北へ連れて行かれる(4)

  わたしを獲得する前、ターゴはコ=ロ=バからローラに北上していました。実際に、さまざまな都市で娘を売り買いしながら、アル付近からはるばる来ていました。ターゴはインジ、ユート、わたしの大嫌いなラナをコ=ロ=バで購入しました。ラナはわたしたちのリーダーで、わたしたちは彼女を恐れていました。男には服従し、愛想が良く従順ですが、わたしたちには横柄でした。わたしたちはラナが言ったことをして、さもなくばぶたれました。言われているとおり、ご主人様は奴隷のつまらない口げんかにはあまり干渉しません。もちろんわたしたちに傷をつけたり、怪我をさせたり、価値を下げたら、ラナはひどくぶたれるでしょう。でもそれ以上に、思うさまわたしたちに威張りちらし、ぶつかもしれません。わたしたちは彼女を憎み、うらやんでもいました。彼女は一番美人なだけではなく、陥落する前はアルの立派な奴隷屋敷だったセルヌス屋敷で訓練されていました。さらに重要なことは、キュルリアンの競売にも出されたことがあります。ラナはいつも展示用の鎖の最後に繋がれました。一番魅力的な商品は最後にちらりと見せるのです。わたしたちは彼女が売られることを望んでいましたが、ターゴは極めて高い値がつくのを待っていました。彼女が上層階級の出ではなくても、ターゴはいくらでも受け取ることができるでしょう。ラナはユートのように革職人でしたが、わたしたちを奴隷とみなしていました。

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訳者の言い訳と解説

キュルリアンはゴルの名門奴隷競売場のようです。
今回も段落の途中ですが分割します。

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2009年8月8日土曜日

ゴルの虜囚 67 【CAPTIVE OF GOR】

→ 読む前の注意
→ 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン

7. 他者と供に、北へ連れて行かれる(3)

ターゴには残念ですが、村の娘は高い身分ではありません。高い価値がない代わりに、高い身分の自由市民よりずっと簡単に手に入ります。わたしがターゴに捕らえられたとき、鎖に繋がれた高い身分の娘は背の高い娘のインジ一人だけで、書記階級でした。隣で引き具を付けられたユートは革職人でした。もちろん、ある意味で奴隷には身分は無いのですけれど。隷属すると、身分も名前さえも奪われます。奴隷はあらゆる点で動物のごとくにご主人様のものです。ご主人様は思い通りに奴隷を呼び、彼を楽しませることをするかもしれません。ターゴの村娘の一人では見込みがなさそうですが、訓練してアルに連れて行けば、金貨10~15枚、もしかしたら金貨20枚にさえなるかもしれません。彼の投資は優れた面もあるものの、リスクがなくもありませんでした。伝統的に高値で取引されるアルの市場に娘を運搬するのは、いつも易しいわけではないのです。奴隷商人が捕虜を逃すことはあまりないので、娘が逃げるということではなく、むしろ奪われるからです。女の奴隷は戦利品なのです。

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訳者の言い訳と解説

ゴルの身分制度についてはこちらをどうぞ
筆箱: ゴルの世界 The World of Gor 2

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2009年8月7日金曜日

ゴルの虜囚 66 【CAPTIVE OF GOR】

→ 読む前の注意
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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
7. 他者と供に、北へ連れて行かれる(1)

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ローラで一般的に見つけられる商品の性質を考慮すれば、主に粗製品ですから、ターゴがローラに向かったのを不思議に思うかもしれません。でも不思議でも何でもありません。春でしたし、春は奴隷あさりには重要な季節です。それに、前の秋にサルダル山脈の近くのセ・カラの祭の市で、襲撃者スキャーンのホーコンとローリウス北部や沿岸の村、トルヴァルズランド端の上部からまで連れてきた100人の美女の契約をしていました。この商品を取りに行くため、ターゴは危険を冒してローラへ行くつもりでした。その祭の市で既にホーコンに金貨50枚分の手付金を既に払っていました。委託品が引き渡されたら残額の金貨150枚が支払われることになっていました。金貨2枚はローラで引き渡される生娘一人には高額ですが、大きな市場に安全に運べたら、訓練されていなくても多分5枚以上で売れます。それにローラで金貨2枚だけ提供すれば、ホーコンの捕獲した極上の選り抜きだとターゴは確信していました。この他に、最近都市が陥落していないし、アルのセルヌス屋敷が滅びたから、この春の相場は高くなるだろうと、ターゴは思い巡らせていました。さらに、南東のアルに連れて行く前に、多分コ=ロ=バの奴隷部屋でいくつか訓練を受けさせるつもりでいました。

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訳者の言い訳と解説

一段落終わってないんだけど、長いとWeb上で読みにくいので区切らせてもらいました。



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