2009年7月4日土曜日

ゴルの虜囚 61 【CAPTIVE OF GOR】

 → 読む前の注意
 → 目次

<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン


6. 奴隷商ターゴとの邂逅(11)

 娘が、女のわずかな獰猛な力でぶちました。何度も何度も、繰り返し繰り返し、意地悪く、荒々しく、あらん限りの激しさで、何度も何度も。わたしは声を上げ、叫んで泣きじゃくってもがきました。細い革の紐の束は、情け容赦ありませんでした。わたしは草を噛み、息もできません。涙で目が見えません。何度も何度も!
「お願いやめて!」
でももう叫ぶこともできません。ただそこにあるのは草と、涙と、何度も何度もぶたれる鞭の痛みです。
 実際にぶたれ続けたのは2,3秒だけなのかもしれませんが、1分以上ではなかったと思います。
 ターゴがその娘、ラナに何か言うと、革の刺すような痛みの雨が止みました。
 二人の男は足首を放し、手首を掴んでいた二人はわたしを跪かせました。わたしはショックを受けていたに違いありません。目の焦点が合わず、荷車のところで女たちが笑っている声が聞こえました。草の上に吐くと、二人の男が後ろから髪を掴んで吐いたところから引き離しました。きれいな草のところの地面に顔を押し付けられて、頭の向きを変えられ、口とあごについた嘔吐物を拭い取られました。
 それからまた男たちに手首を掴まれ、ターゴの前に引きずり上げられ跪かされました。
 ターゴを見上げました。
 片手にわたしの服を持っているのが見えて、それをかろうじて理解できました。こちらを見下ろしています。もう片方の手には、わたしをぶった鞭の束がぶら下がっています。女は男の一人に、荷車の自分の持ち場に連れ戻されていました。背中全体が、脚が、腕が、肩が焼け付くようでした。
 二人の男が、わたしの手首を放しました。
「カジュラ」
 ターゴが言い、鞭を振り上げました。
 ショックです。
 わたしはターゴの足元の草に額を押し付けました。
 ターゴのサンダルを手に頂き、足に唇を押し当て口づけをしました。
 女たちの笑い声が聞こえます。
 もうわたしをぶったりしないわ!
 ターゴを喜ばせたはずです。
 震えて涙に咽びながら、もう一度足に口付けしました。満足したに違いないわ、そうに決まってる!
 ターゴは簡潔な命令をして、ローブをひるがえして立ち去りました。
 わたしは顔を上げて見送り、すすり泣きました。


*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:**・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*・゜゚・*:.:*
訳者の言い訳と解説

 鞭ってなんとなくイギリスの先生が持つようなのを想像してたら、
バラ鞭みたいですね。
 今回は皆さんが期待している(?)SM色が強いシーンなので特に気を使いました。
うまく盛り上がってるかな?
こうしたら良いんじゃない?ってところがあったら、
特にまこちゃん、よろしく!



人気ブロaグランキングへ

0 コメント:

コメントを投稿

 

About Me

My Blog List