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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
3. 絹の紐(17)
バンガローのドアは開けられていました。わたしは鍵を閉めていたのに。でも鍵は開けられ、スライド錠まで抜かれていました。ドアに駆けて行きまた鍵を閉め、体で支え、すすり泣き始めました。
ヒステリックに服のところに走って、服を着ました。
時間があるかもしれない。あいつらはもう立ち去ったかもしれない。あいつらがすぐそこで待っているかもしれない。わからない。
車のキーを探してハンドバッグの中を手探りしました。
ドアへ走りました。
でも怖くなり、ドアをさわるのが心配になりました。すぐそこで待っているかもしれないわ。
バンガローの奥に移動して明かりを消し、恐怖に打ち震えて闇の中で立っていました。バンガローの後ろの窓のカーテンを引き寄せると、窓の鍵はかかっていました。鍵をはずし、安心したことに、音を立てずに窓は上に開きました。周囲を眺めると、誰も見えるところにはいません。今だわ。あいつらはバンガローの前にいるのかもしれないし、いないのかもしれない。朝まで鏡のしるしを見ないと思ってるんだわ。いえ、そうじゃない。前にいるんだわ。
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