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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
3. 絹の紐(20)
マセラティが大きな石にぶつかり、エンジンが止まってしまいました。荒々しく、もう一度かけようとしましたが、惨めな音がして、そしてもう一度音がしました。イグニッションキーはただ無意味に、何度もカチッと音を立てるだけ。突然黄色い光に覆われたので、叫び声を上げました。それがわたしの上に停止していました。車を捨て、暗闇の中に逃げ出しました。
光が辺りを動きましたが、わたしを捕らえてはいません。
わたしは林に到達しました。驚いたことに、林の中から、円盤の形をした物がマセラティの上に浮いているのが見えました。
青みを帯びた光のようなものが、刻々とその姿態から放たれました。
マセラティがその青っぽい光の中で小刻みに震えると、恐ろしくも、マセラティが消えてしまいました。
わたしは木に背をもたれて立ち、手を口に当てていました。
青っぽい光が消え、再び黄色い光に切り替えられました。
その形のものはこちらに向きを変え、ゆっくりとわたしの方に動いてきました。
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