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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
6. 奴隷商ターゴとの邂逅(2)
歩き続けました。
夜明けから二時間ほどして、岩がむき出しのところにたどり着きました。ここで、石の間に雨水の小さな水たまりを見つけて、水を飲みました。
嬉しいことに、近くに食べられるベリーを見つけました。おいしくて、この原野で何らかの自信が付きました。
太陽が空に昇り、暖かくなってきました。二度ほどにわか雨がありましたが、別に気になりませんでした。空気は澄み渡り、草は緑、空は抜けるように青く輝き、雲は白い。
太陽が頭の上に来た頃に、もっとベリーを見つけて、今度はお腹いっぱい食べました。そう遠くない別の岩場で、雨水が溜まった水溜りを見つけました。大きな水溜りで、欲しいだけ水を飲み、顔を洗いました。
そして歩き続けました。
もう恐れないし、気が立ってもいません。この世界で生きていくのも不可能ではなさそうに思えました。
美しい世界。
少し走ると髪が後ろになびきました。笑って飛び跳ねてターンして、また笑いました。誰もいません。少女だった頃以来、やったことはありません。
それから、暗い色の巻きひげのある葡萄のような植物が片方にあるのを見て、注意深く歩みました。わたしの存在を感知して、カサカサ音を立てているのを見て、立ちすくみました。牙のあるさやがいくつか、わたしを感知して頭のように持ち上げ、ゆるやかに前後に動いていました。
でももう恐れることはありません。この植物が危険だとわかっています。
歩き続けました。
動物も見かけません。
そこかしこにベリーを見つけ、時々岩場ではだいたいいつも決まって、最近の雨水が溜まっていました。
でも、わたしはとても寂しいと思いました。
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訳者の言い訳と解説
恐るべき状況適応能力とバイタリティですよね。
自分がいる場所が地球ではないことも、かなり早い段階で理解しています。
地球からゴルに連れてこられるのは、こういう人が選ばれるのです。
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