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<反地球シリーズ>
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
ゴルの虜囚
ジョン・ノーマン
4. 奴隷のカプセル(2)
「あんたたち誰なの?何なのこれは?」
わたしが囁くと、
「離してやれ」
黒いチュニックの男が言い、わたしを掴んでいる男が手を離しました。
わたしは男たちの間に立っていました。
今度は空き地のもう一方に、トラックがあるのが見えました。
いろんな大きさの箱がトラックから運び出され、船に積み込まれていました。
「首輪は気に入ったか?」
黒いチュニックの男が愉快そうに尋ねてきたので、思わず手を自分の首にやってしまいました。
男はわたしの後ろに踏み出し、黒いベア・ミドリフのブラウスの上のボタンを引きちぎりました。小さな鍵が、厳重に掛けられた小さな鍵穴に差し込まれるのがわかり、首輪がぱちんと外れました。
「間違いなく、別のをされるがな」
男が言い、首輪の鍵を外した男に首輪を手渡しました。
男はわたしをじっと見ていました。
わたしはまだハンドバッグを掴んでいました。
「離して」わたしは囁きました。「お金ならあるわ。ほら。ジュエリーも。もっとあるわ。あなたにあげる。だからお願い」
ハンドバッグの中を手探りし、紙幣とジュエリーを男の手に押し込みました。
男は紙幣とジュエリーを他の男に手渡しました。男が望んでいるのは、お金でもジュエリーもありませんでした。
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